どの通貨がよいのか?
株式投資では銘柄が3000種類以上あるので選択に迷うが、FXだとメジャー通貨で数種類、その他ある程度よく取引されている通貨も加えると10種類ぐらいだろうか。実はそれでもどれを売買するか迷ったりする。よく取引される通貨名をちょっと書いてみる。(ここでは煩雑になるからクロス円以外のペアは考えない)
<クロス円である程度取引されているであろう通貨>
・米ドル
・ユーロ
・豪ドル
・カナダドル
・英ポンド
・スイスフラン
このあたりまでがメジャー通貨だと思われる。
メジャーじゃないけど個人投資家に人気なのが、
・ニュージーランドドル
・南アランド
・トルコリラ
以上で9種類
他にもデンマーククローネ、シンガポールドル、ポーランドズロチなども取引できる業者もあるが、他の個人投資家のFXブログを見ても、あまり取引している人はいないようだ。
どの通貨を選択すべきか?についてはその時その時で変わってくるが、選択の基準はそれほど多くない。
★スプレッドが小さい
売買にかかるコストは小さいほうがいいに決まってる。なお、私は昔に比べスプレッドが劇的に小さくなっていることに感動している。
スプレッドが小さい通貨としては流通量の多い通貨、米ドル、ユーロがそうと言えるだろう。
一方で、トルコリラや南アランドは非常にスプレッドが大きく、エントリーした時点でかなりの損が出る。
★スワップポイントが高い
私は反スワップ派なので気にしないが、個人投資家ではスワップ狙いの手法は人気がある。
今はどこの国も低金利の傾向にあるが、2008年頃までは政策金利も高く、スワップポイントも2012年現在より遥かに高かった。
以前はポンド、ニュージーランドドル、カナダドルも高金利通貨として人気があったが、最近は政策金利も下がり、スワップポイントも小さくなった。
現在メジャー通貨でスワップ狙いするならかろうじて豪ドルが合格だろうか。
南アランドやトルコリラも高金利通貨であるが、別の理由でお勧めできない。
★相場が読みやすい
米ドルや豪ドルは比較的トレンドがはっきりしやすく、値動きが予想しやすいと言われている。逆にポンドやカナダドルはクセがあって、読みづらいと言われている。ましてマイナー通貨はよく意味不明な動きを見せる。
★変動率
通貨によって値動きの変動率は異なる。
比較的値動きが小さいのが米ドル、ユーロ、スイスフランあたりか。一方、マイナー通貨ほど変動率が大きい傾向にある。英ポンドなどは暴れん坊通貨と言われるぐらい値動きが激しいとされているが、マイナー通貨ほどではないと思う。
実際に各通貨の変動率を計算している人もいるので、具体的なデータを知りたければ「FX ヒストリカルボラティリティ」とかで検索してみよう。
なお、スワップ狙いであればスワップポイントの高さだけでなく、変動率が小さい通貨を選ぶのが常識。
値幅を狙うなら変動率が大きい通貨のほうが短時間で勝負がつくので効率が良いといえる。
★安全性
株式の銘柄と違って、通貨がなくなるリスクはかなり小さいとはいえ、絶対にないとは言えない。アイスランドクローナは以前は超高金利通貨として個人投資家で人気を集めていたが、経済危機によりその価値は暴落。現在は取引中止になっている。ほとんどの日本の投資家はスワップ狙いの買いで入っていたはずなので、大損した人も多かったと思われる。
やはり経済規模の小さい国のマイナー通貨は危険であると思う。ちまちまスワップで稼いでいても、証拠金を一気に全額持っていかれたら元も子もない。
また、南アフリカやトルコも、政情不安を抱えているので、こんな通貨怖くて長期保有できないというのが私の感想である(といっても以前はよく手を出したのだが…)。
安全性においては米ドルが圧倒的に優れている。
以上のことを踏まえると、現在ではスワップ狙いで行くなら豪ドル、値幅を狙うなら米ドルという選択が真っ当ではないかと思う。
<2015年1月追記>
現在私のトレードはスキャルピングなので、スプレッドが小さいドル/円とユーロ/ドルのみで取引している。