100万円で運用して、1年間で最もスワップで儲かる通貨は?


外貨預金代わりに、FXを利用している人、あるいは検討しているも多いと思います。
預金と異なり、FXでは利率ではなくスワップポイントという形でリターンが示されます。

利率だと、例えば100万円分の外貨を購入した時に、1年後どれ位リターンがあるのかわかりやすいですが、スワップポイントだと少々計算が必要です。

一方、スワップポイント狙いで行くなら、安定して高いスワップポイントが付いている通貨を狙いたいですね。

2009年から2015年までの有名通貨の利率を計算して比較してみたので、今後の通貨選びの参考にして下さい。なお、スワップポイントはヒロセ通商の値を参照しています。

2009年
2009sw
2009年はリーマンショック後の低金利状態の年の始まりでした。
ドルやユーロなどはほぼスワップポイント0になりました。
以前なら8%ぐらいあったオーストラリアドルやニュージランドドルも半分以下になりました。
超高金利通貨通貨と言われていた南アランドとトルコリラもかなり減ってしまいましたが、それでも7%近くあって比較的健闘しています。

2010年
2010sw
2010年はスワップ派にはさらにツラい年になりました。
1位は南アランドで3.663%ですが、2009年に較べて激減しました。トルコリラなどはもはや高金利通貨とは言えない状況です。
ただ、オーストラリアドルは比較的安定してスワップが付きました。

2011年
2011sw
2011年もそれほど状況は変わりません。米ドルに関してはマイナス金利になっています。
その中でもオーストラリアドルが4%超と健闘が光っています。
かつて超高金利通貨と言われたトルコリラはかなり残念な状況です。

2012年
2012sw
2012年も1位はオーストラリアドルでしたが、3%程度と更に辛い状況になっています。
南アランドがかなり残念なことになっていますが、トルコリラに少し復活の兆しが見られました。

2013年
2013
2013年はさらに低スワップ状態が進んでいます。1位のニュージランドドルでも2.5%程度と、もはやスワップ狙いは機能していません。

2014年
2014sw
2014年もほとんど状況は変わりませんが、唯一トルコリラがやや息を吹き返してきました。4%超ならなんとかスワップ狙いが通用するかというところです。

2015年
2015sw
2015年は3/20までのデータです。
現在のところ、ニュージランドドルが1位が、トルコリラが2位となっています。差は僅差ですが、ニュージランドドルの方がまだ通貨として信頼があるので、どちらを買うとなると圧倒的にニュージランドドルだと思います。
なお、南アランドはもはや存在価値をなくしています。かつての超高金利通貨の面影もありません。

最後に、各年の年利の推移をまとめました。
2009-sw
全体的に安定して年利が高いのがオセアニア通貨のオーストラリアドルとニュージランドドルです。
通貨としても比較的信頼度が高いですし、スワップ狙いならある程度安心して保有できそうです。
また、トルコリラに復活の兆しがあるので、もしかすると今後また超スワップ状態が来るかもしれません。

↓私がメインで使ってるFX業者↓

どの通貨がよいのか?


株式投資では銘柄が3000種類以上あるので選択に迷うが、FXだとメジャー通貨で数種類、その他ある程度よく取引されている通貨も加えると10種類ぐらいだろうか。実はそれでもどれを売買するか迷ったりする。よく取引される通貨名をちょっと書いてみる。(ここでは煩雑になるからクロス円以外のペアは考えない)
<クロス円である程度取引されているであろう通貨>
・米ドル
・ユーロ
・豪ドル
・カナダドル
・英ポンド
・スイスフラン
このあたりまでがメジャー通貨だと思われる。
メジャーじゃないけど個人投資家に人気なのが、
・ニュージーランドドル
・南アランド
・トルコリラ

以上で9種類
他にもデンマーククローネ、シンガポールドル、ポーランドズロチなども取引できる業者もあるが、他の個人投資家のFXブログを見ても、あまり取引している人はいないようだ。

どの通貨を選択すべきか?についてはその時その時で変わってくるが、選択の基準はそれほど多くない。

★スプレッドが小さい
売買にかかるコストは小さいほうがいいに決まってる。なお、私は昔に比べスプレッドが劇的に小さくなっていることに感動している。
スプレッドが小さい通貨としては流通量の多い通貨、米ドル、ユーロがそうと言えるだろう。
一方で、トルコリラや南アランドは非常にスプレッドが大きく、エントリーした時点でかなりの損が出る。

★スワップポイントが高い
私は反スワップ派なので気にしないが、個人投資家ではスワップ狙いの手法は人気がある。
今はどこの国も低金利の傾向にあるが、2008年頃までは政策金利も高く、スワップポイントも2012年現在より遥かに高かった。
以前はポンド、ニュージーランドドル、カナダドルも高金利通貨として人気があったが、最近は政策金利も下がり、スワップポイントも小さくなった。
現在メジャー通貨でスワップ狙いするならかろうじて豪ドルが合格だろうか。
南アランドやトルコリラも高金利通貨であるが、別の理由でお勧めできない。

★相場が読みやすい
米ドルや豪ドルは比較的トレンドがはっきりしやすく、値動きが予想しやすいと言われている。逆にポンドやカナダドルはクセがあって、読みづらいと言われている。ましてマイナー通貨はよく意味不明な動きを見せる。

★変動率
通貨によって値動きの変動率は異なる。
比較的値動きが小さいのが米ドル、ユーロ、スイスフランあたりか。一方、マイナー通貨ほど変動率が大きい傾向にある。英ポンドなどは暴れん坊通貨と言われるぐらい値動きが激しいとされているが、マイナー通貨ほどではないと思う。
実際に各通貨の変動率を計算している人もいるので、具体的なデータを知りたければ「FX ヒストリカルボラティリティ」とかで検索してみよう。

なお、スワップ狙いであればスワップポイントの高さだけでなく、変動率が小さい通貨を選ぶのが常識。
値幅を狙うなら変動率が大きい通貨のほうが短時間で勝負がつくので効率が良いといえる。

★安全性
株式の銘柄と違って、通貨がなくなるリスクはかなり小さいとはいえ、絶対にないとは言えない。アイスランドクローナは以前は超高金利通貨として個人投資家で人気を集めていたが、経済危機によりその価値は暴落。現在は取引中止になっている。ほとんどの日本の投資家はスワップ狙いの買いで入っていたはずなので、大損した人も多かったと思われる。
やはり経済規模の小さい国のマイナー通貨は危険であると思う。ちまちまスワップで稼いでいても、証拠金を一気に全額持っていかれたら元も子もない。
また、南アフリカやトルコも、政情不安を抱えているので、こんな通貨怖くて長期保有できないというのが私の感想である(といっても以前はよく手を出したのだが…)。
安全性においては米ドルが圧倒的に優れている。

以上のことを踏まえると、現在ではスワップ狙いで行くなら豪ドル、値幅を狙うなら米ドルという選択が真っ当ではないかと思う。
<2015年1月追記>
現在私のトレードはスキャルピングなので、スプレッドが小さいドル/円とユーロ/ドルのみで取引している。


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