トルコリラのスワップポイントと政策金利の推移


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もはや投資妙味なし。しかしトルコ経済自体は将来性あり。

多くの個人投資家に夢を与え、その後大金を奪った罪深い通貨である。一時はスワップポイントが一日400円を超えた夢のような時期があった。10万通貨も買っておけば一日4000円。スワップだけでも贅沢しなければ生きていけるぐらいの収入である。おそらく100万通貨ぐらい買っていた投資家も少なくなかったのではないか。とすると一日4万円である。毎日遊んで暮らせる額である。短い期間であったが、夢を満喫した投資家もいただろう。しかし、リーマンショックで暗転する。

あの時は恐ろしいほど暴落した。個人的にも100万円ほど失った。のみならず破産した投資家も多かっただろう。当時、トルコリラをテーマにしたブログが数多かったが、2009年で更新が止まってしまっているブログが大半である。

全盛期には17%程度あった政策金利も半分ぐらいになってしまった。他の通貨と比較するとまだ高金利通貨と言えるのだが、スワップポイントは豪ドルの方が高い。しかも、トルコリラはスプレッドがかなり広くてトレードしづらい。
スワップ狙いなら豪ドルや、あるいは南アランドの方がまだマシ。
トルコリラはもう時代遅れだ。

現在のところ、トルコリラのトレードを積極的に推奨する材料はないが、ドルコ経済自体の将来性は評価できる。将来的にはトルコリラが円に対して強くなる可能性はあるので、長い目でトルコという国に賭けてみるつもりなら、長期保有してみてもいいかもしれない。


南アランドのスワップポイントと政策金利の推移


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もはやスワップ狙いには不向き?

以前より超高金利通貨として個人投資家から人気を集めていた南アランドであるが、以前は10%を超えていた政策金利も最近では5-6%程度である。
政策金利は他国と比べて高いが、その割にスワップは高くない。全盛期の1/10になってしまってはさすがに買う気にならない。
スワップ狙いなら豪ドルかニュージーランドドルの方が割がよい。わざわざ不安定な南アランドを買う理由はない。

2008年頃、南アランド、トルコリラ、アイスランドクローナが超高金利通貨トリオとして個人投資家から注目を集めていたが、リーマンショックでいずれも暴落して、スワップ狙いの投資家は大やけどを負った。しかし、この3つの通貨の中では南アランドは最もマシだったと思う。トルコリラは暴落後、さらに値下がりを続け、アイスランドクローナに至っては取引停止になっている。そういう意味で南アランドはまだ健闘していると言える。
今後、人気は再燃する可能性もある。

現在は低下してしまったスワップだが、また高くなる可能性もある。
それまでは様子見が無難だろう。


スイスフランのスワップポイントと政策金利の推移


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円と似ているがゆえ投資妙味に欠ける?

政策金利は2011円半ば以降、0%で推移している。
以前から低金利通貨として円と同様にスワップ狙いで売られることが多かったスイスフランであるが、円とのペアは売りでも買いでもスワップポイントは0か若干のマイナスである。
また、スイスフランと円は特徴が似ているので、円とのペアは動きが少ない。

スイスフランというのは実に渋い通貨である。普段は値動きが小さく静かな通貨だが、世界を揺るがす大事件が起きた時など、リスクヘッジで急に買われることがある。
スイスは豊かな国ではあるが、日本などと比べると経済規模ははるかに小さい。しかしながら円と同じくメジャー通貨の一角を占めているのは、その国家の信用力であろう。
経済力というより信用力で世界の投資家の注目を集める通貨などスイスフランぐらいだ。

スイスフランのトレードとして、スワップ狙いで他通貨に対して売りを仕掛ける使い道がメジャーであるが、日本人の我々からすれば、スイスフランより円を売ったほうが簡単なので、スワップ狙いのトレードではスイスフランの存在感は薄いと言えるだろう。

トレードするならやはり世界的リスクの高まりを予測して売買することであろうか。平時にはあまり投資妙味が見られない通貨である。


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