アイスランドクローナって、まだFXできるの?


できない。どうしてもというなら現地に行け!


2008年以前、高金利通貨華やかなりし頃、とりわけ高金利(高スワップ)で知られていたのが、「トルコリラ」「アイスランドクローナ」「南アランド」の御三家である。
いずれの通貨も政策金利は10%を超えていた。確か、トルコリラは17%、アイスランドクローナは15%、南アランドは12%程度だったと思う。今考えれば凄まじい水準だ。

3つともマイナー通貨ではあったが、とりわけマイナーだったのがアイスランドクローナである。アイスランドは豊かな国ではあるが、人口がたった30万人の小国である。そんな国の通貨を博打の対象とすべきではなかったと思う。

2008年はリーマン・ショックで世界の金融市場が大混乱したが、アイスランドも行き詰まって、10月にアイスランドクローナは取引停止になった。
トルコリラも南アランドも暴落したが、取引停止にまではなっていない。アイスランドクローナは流通量が少なすぎたのが仇になった。

2013年、アイスランドクローナという通貨は存在しているが、再び取り扱っている業者はない。
そもそも取引停止になるような通貨を扱ったことはFX業者(あるいは元締めのサクソバンク)の大失態である。
FXは株と違って、上場廃止になることがない、のが宣伝文句だったが、そのメリットの一つをぶち壊してしまった。

実は現時点(2013年)のアイスランドクローナの政策金利は6%程度と、トルコや南アより高い。もし、FXで取引できたならスワップ狙いの投資家から人気を博しただろう。
今はあの時より金融市場が落ち着いているので、取り扱おうと思えばできると思うが、さすがにアイスランドクローナには懲りたようだ。

しかし、よく考えればアイスランドクローナは取引しづらい通貨だった。
スワップは高いが、トルコリラの方がやや高かった。
そして、スプレッドがかなり広かった。
15銭もあった。大したことないと思うかもしれないが、びっくりするほど広い。
大体、アイスランドクローナ/円=1.5だったので、スプレッドがその10%にもなる。
例えば、ドル円だったら、スプレッド10円というぐらいのインパクトがある。ありえない。
スワップは高かったが、1ヶ月以上持ってないと、損をするぐらいだった。

でも、なんだかんだで結構人気あったから、大損した人も多いと思う。

アイスランドクローナ。人々に強烈な記憶と教訓を残した通貨だった。

今もどうしても取引したいなら、現地に行って現金で手に入れるしかないと思う(日本ではアイスランドクローナは両替できないようだ)。
<2015年1月追記>
リーマンショック当時、経済危機にあったアイスランドであるが、現在は経済も安定を取り戻している。しかし、アイスランドクローナは現在もFXで取り扱っている業者はないようだ。


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