経済指標は気にするな
土日を除くほぼ毎日、どこかの国で何らかの経済指標が発表されている。某FX会社のHPで確認したら、メジャー通貨の国だけでも、ひと月で百数十の経済指標の発表があるらしい。その中で特に相場に影響力が大きいのはアメリカの経済指標であるが、これもある程度重要な指標(レートが動くような)は週に2回程度は発表されている。
指標は公表値そのものというより、マーケット関係者の事前予想と実際の値がどれだけ違ったかで相場は動く。
ではプロではない我々個人投資家が経済指標の発表に対して取るべき行動はいかなるものであろうか。
まず、我々には各国の経済指標を独自に予測するだけの情報がない。
例えば消費者物価指数なんてどうやってどんなデータを用いてどんな計算するのかまったくわからない。個人で予測できるレベルではない。
また、大きく値が動く政策金利についても、事前予想はマーケット関係者でも意見が分かれることはよくある。個人ではお手上げである。
だから、経済指標は気にしても仕方がないというのが私の持論である。政策金利や雇用統計の発表後は値が大きく動くことが多いので、FXファンの間ではお祭りイベントと捉える向きもあり、積極的にポジションを取る人も少なくないようだ。しかし、自分で経済指標を予測できない以上、そこで勝負するのは半丁博打と同じである。それが悪いわけではないが、勝負の分かれ目は完全に運であることは確かだ。
これまでの私の経験を語ると、重要経済指標の発表にあわせてエントリーすることはなかったものの、ポジションを持っている時は、やはり経済指標をかなり気にしていた。…というか楽しみにしていた。雇用統計発表の数時間前から値動きが小さくなり、嵐の前の静けさとなる。そして発表の数分前にはチャートを開いてその瞬間を待つ。その数分の緊張感が好きだ。
そしてその瞬間、マーケットは大きく動き出す。トレード画面のニュース速報が出るより先に動き出すので、実際の発表値を確認する前に、値動きの向きで予想値より良かったのか悪かったのか、そしてその程度がわかる。
発表後は一気に一円以上値が動くこともあるし、その後のトレンドの起点となることもある。大きく動いた時は、私も飽きずに深夜までチャートを眺め続けたものだった…。
と、ついつい熱く語ってしまうわけだが、実際にそれで大きく儲けた記憶はない。また、チャートを見続けても私の願う方向に値が動くわけでもないのでドライな言い方かもしれないが時間の無駄だったと思う。
だから今後は経済指標を気にしない事にする。経済指標の数自体が多すぎて全部チェックすることは難しいし、気にしてもそれが儲けにつながらないから。
また、政策金利や雇用統計のような重要な指標発表前にはポジションを外すのが正しい判断だと思う。実際のところFXには運も関わってくるが「読み」とは関係ないトレードはなるべく避けたい。そうすれば、精神的負担も減ると思う。