FXは紳士・淑女の殴り合い


FX(外国為替証拠金)って、気取ってやれるような上品な趣味ではない。
勝つか負けるか、それだけを決める何も生み出さないマネーゲームだ。
イメージとしては、金を握りしめた世界中の紳士・淑女がひとつのリングに上がって、目を血走らせながら殴りあって、そして最後まで立ってられた数少ない勝者がハーハー言いながら大勢の敗者から金を奪い取る感じ。
金が欲しい、たったそれだけシンプルな欲望がFXというリングでガンガンにぶつかり合うわけだ。
日本で言うわびさびもなく、西洋のレディファーストの美徳もなく、キリスト教の隣人愛もなく、本当に品のない世界である。(ただし、年齢性別国籍腕力などが問われないフェアな世界だとは思う。)

とはいえ、FXにもゲーム性があって、勝ち負けとは別にそれはそれで面白い。基本的に値が上がるか下がるかを予想するシンプルなゲームだが、ファンダメンタルズ、テクニカル、あるいは勘など、予想には様々なアプローチの仕方があって、戦略は無数にある。色々考えながら予想することは本当に面白いし、予想が当たったときは喜びが爆発する。
でも、バーチャルトレードでやっても、全く楽しくないんだよね。予想が当たっても全く嬉しくない。いや、むしろ予想が当たればリアルトレードでやれば良かったとか後悔するぐらいだ。
やっぱりFXは金を賭けてなんぼだと思う。

そういう意味でFXは競馬やパチンコと同レベルの趣味だと思う。競馬もパチンコもゲーム性があってプレイは面白いけど、やっぱり目的は金。もちろんそれが悪いわけではない。
でも、例えば就職する時、履歴書の趣味の欄に競馬とかパチンコとか書くか?それと一緒でFXも履歴書に書ける趣味ではないと思う。

何が言いたいかって、FXの不健全さを常に意識しておいたほうがいい、ということだ。不健全だからそのリスクに対して常に敏感にならないといけない。FXはやり過ぎると精神が殺伐としてくる。プロはどうだか知らないが、他に仕事があって趣味でFXをやっている個人投資家はほどほどにしておいたほうがよい。FXは下品な趣味と思って蔭でほそぼそとやるのがよいと思う。
<2015年1月追記>
この記事を書いてから3年ほど経つが、今も概ね同意である。FXは上品な趣味ではないと思う。
ただ、バーチャルトレードも本気でやればそれなりに楽しいと思う。
人生ゲームだって、本当のお金じゃないけど、勝ったら嬉しい訳で、ゲームでも何でも本気でやれば楽しいと思う。


このページの先頭へ