FXで大損した経緯


私がFXを始めたのは2003年の後半だった。
それまで私は株式投資はしていたのだったが、同じ寮の同じ部屋にいたFX好きの友人がこっちの方が儲かると力説してくるので、その気になって口座を作ったのだった。
今じゃあんまりないと思うが、ネット取引ではなく、電話で注文を出すタイプの取引だった。今思うと面倒くさいが、注文を出すときの緊張感はマウスをクリックするより遥かに高かった。

とりあえず100万円を入金して、オーストラリアドル(オージー)を1口(10万通貨)買った(その業者は10万通貨が1口だった)。今考えると大きすぎる。でも当時はそんな事わからなかった。わかっていたのは1円値上がりしたら10万円儲かるということ。10円値上がると100万円!?当時の私の給料は手取りで15万円ほど。給料に比べて遥かに高い金がいとも簡単に手に入るロマンに酔っていた。FXってなんて素晴らしいんだ。今からこれに目をつけているオレって完全勝ち組だろう。そう思っていた。

当時のオージーのレートは80円~81円ほど。買ってしばらくは大きく値が動かなかった。しかし、値が気になるので仕事の後はずっとレートを眺めていた。すると、見ているだけでは飽きたらず、また買いたくなってきた。それでもう1口購入してしまった。100万円の資金で20万通貨…。って、レバレッジ高すぎ!でも勝負に勝って大金を手に入れることしか考えてなかったので、買い増しは成功への近道だと思っていた。

が、しかし…。

まあ、近道というのは正しかったよ…。破滅の…。

値上がることを信じていたわけだが、それとは裏腹に値下がって80円割れしてしまう。1円値下がったら20万円の損…。自分の月給よりも多い金が簡単に溶けていく…。その恐怖に仕事も手がつかなくなっていった。反転してくれ、頼む!と祈り続けたが、最後は76円台まで値下がってギブアップ。私は真っ白な灰になった…。
同じく、私をFXに誘った友人も大損して、しばらく部屋は葬式のような沈痛な雰囲気だったのを覚えている。
たしか、FX始めて1ヶ月か2ヶ月の出来事だったと思う。そのようにしてFX初挑戦は無残な敗北に終わった。

もう、FXなんぞするか、と思っていたが、1年以上経つと心の傷も癒え、リベンジしようという気持ちになっていった。
当時私は仕事を辞め、学校に入学したばかりだった。仕事で稼いだお金の4割ぐらいは株とFXで失っていたが(株でも失敗していた…)、学費分と2年分ぐらいの生活費の蓄えは残っていた。それはその用途以外使ってはいけない金。しかし…。

要は負けなかったらいいんだよね!

今度は欲張らずにスワップ狙いで行こう!と自分に言い訳して80万円を入金。再びオージーを10万通貨買ってしまう。この当時はスワップも高く、10万通貨だと一日2000円近くになったと記憶している。ということは持ってるだけで1年で70万円ぐらい?やっぱりFX最高!と思った。

この時もレートは80円前後だったと思う。スワップ狙いの長期投資ならあまり短期間の値動きは気にしてはいけないのだが、やっぱり気になる。そして少し値下がったところで、これはお買い得とばかりにさらに10万通貨買い増してしまう。

そして悪夢再び…。

3ヶ月ぐらい経って、はっきりと値下がりはじめた。あの恐怖が再び私を襲う。
最後のことはよく覚えている。
夜中に77円台に突入して、ロスカットレベルに迫ってきた。私は恐怖に慄きながら一晩中レートを眺めていた。反転してくれ!と心の底から願ったが、ダメだった。
翌朝、FX業者の担当者から電話がかかってきて、決済するか、追加の証拠金を入金するかしてください、と言われた。
もう精根尽き果ては私はそれ以上闘うこともできず、素直に決済を選んだ…。

結局そのせいで、2年間極貧の学生生活を送りましたとさ。

卒業後、私はサラリーマンになった。比較的給料はよかったので、1年も働くと結構貯金ができた。
そして3たびFXに挑戦した。
今度はこれまでの反省から、レバレッジを抑えることにした。そして、スワップ狙いと、値幅取りの2つの戦法をちょくちょくやっていった。
小さい勝負なら勝率は7割ぐらいあった。そこで強気になって大きく賭けると不思議とかなりの確率で負けた。そんな感じで一進一退だった。今度は以前の様に3ヶ月でマーケットを退場することはなかった。

ところで、2007年頃、トルコリラが流行っていた。超高金利通貨でスワップポイントは1万通貨あたり1日400円もついた。私もそれに飛びついた。200万円入金して、5万通貨でトルコリラを購入した。持っているだけで1年で70万円ほど儲かる計算になる。これまでの反省でレバレッジも低いから破産することはあるまい。そう思っていた。

しかし、マーケットはどうあっても私を勝たせたくなかったらしい。

2008年といえば、あれ。リーマン・ショックである。すべての通貨で円高が猛烈に進んだが、トルコリラのようなマイナー通貨はさらに売られた。私がトルコリラを購入した時が80円台だったが、結局トルコリラは50円台まで急落。私はポジションの一部を損切りするなどの対応をしたが、結局100万円ほど損を出してしまった。

当時、為替やっていた人なら皆思ったと思うが、ありえないぐらいの値下がりだった。わずか5万通貨でこれほどの損害が出るなんて思いもよらなかった。本当に、マーケットはすべてのことが起こりうると、身を持って知った。ありえないことなどないのだ。

その後、小さい取引を続けたが、結局だんだんとFXをやらなくなった。そして、会社を辞めたのを機に、FXからすっぱりと足を洗った。

結局、庶民の私にとって、かなりの大金をFXで失ってしまった。アホである。そして、私みたいな人はごく普通、掃いて捨てるほどいるらしい。だからFXやる奴はアホである。あの金を失わなかったら他に何が出来ただろうかと今でも思う。

一つ、この経験でマーケットが教えてくれたのは、「お前はFXに向いてないよ」ということだと思う。3回挑んて3回とも惨敗したのだから当然だ。だから、私もFXから足を洗った。
が、しかし、最近になってまたFXが気になってきた。大敗から時間も経って、自分の失敗を客観的に見れるようになってきた。それらを経験として生かせるなら、どうなるか?
今度は為替で大儲け、というより、どうやったら勝てるのか、という純粋な好奇心だ。

ということで、2012年、再び私はFXの世界に身を投じることにした。FX始めてから約9年、4度目の挑戦である…。

<追記>
結局、2012年は仕事が忙しく、ほとんどFXをやらなかった。
月日は流れ、2014年末より、スキャルピング手法でFXを本格再開している。これが本当に4度目の挑戦である。

これまでの3回の挑戦の失敗の原因は色々あるが、結局は損切りができなかったことに尽きる。
これを書いている現在、1ヶ月ぐらいトレードしているが、損切りは確実に実行している。というか、損切りできないとスキャルピング手法は成り立たない。

4回目の挑戦は必勝を期して、デモトレードから始めた。これまでは早く儲けたい一心だったので、デモトレードなんて時間の無駄と思っていた。しかし、自分も年をとったせいか、急がばまわれ、の重要性を理解できているつもりだ。
デモトレードで慎重に取引して、勝てるようになってからリアルトレードに移行した。

リアルトレードもはじめは1万通貨から始めている(100万円入金)。以前の自分なら考えられない慎重さだ。今考えれば、素人が20万通貨で取引するなんて自殺行為に等しい。本当に若さって恐い…。

あの頃はトレードで大損しても、自分が困るだけで他人に迷惑をかけることはなかった。だからリスクを大きく取ることができた。
しかし、今の私は既婚者である(子供はいない)。かつてのように大損を出しては、妻に迷惑がかかる。いや、それより心配なのは、その時の妻の怒りだ(苦笑)。
だから、絶対に負けるわけにはいかない。

私は現在自営業をしているが、売上が安定していない。自分一人ならいいのだが、妻が将来を心配しているので本業の他にも収入の柱が欲しい。それがFXを再開した理由である。
かつてのように大儲けは狙っていない。それほど大金でなくていいから、確実に勝ちたい。
さて、今回の挑戦はどうなるか?
その日々のトレード記録を「FX日記」として公開していきたい。
このブログは自分の備忘録を兼ねているので、何を考えてトレードしたか、失敗したなら何を反省したのか、などもメモっていきたい。
弱小FXトレーダーの素朴なブログであるが、他のFXファンの参考になれば幸いである。

↓私がメインで使ってるFX業者↓

コメントを残す

このページの先頭へ