FXで大儲けした友人
FXで大儲けすることは多くのFXファンの夢ではあるけど、実際には大金を手にした人は一握りである。
しかし、私の友人に億単位で大勝した奴がいる。
彼は昔、同じ寮の同じ部屋に住んでいて、私をFXの世界に誘った奴である。
始めの頃は彼も私と同様の下手糞だった。一緒に損して一緒に凹んでいた。
私がFXを始めて約二ヶ月、私はオーストラリアドルの暴落でマーケットを去ることになったが、彼は同様のポジションを持っていたものの、資金量が私よりも大きかったので生き残った。
その後私は仕事を辞めたのだが、その数カ月後、彼は開眼したらしく、大勝していることを聞いた。
300万円から始めて、1年ぐらいで2000万円ぐらいにしたらしい。そして、彼も仕事を辞めた。彼は故郷に帰り、専業のトレーダーとしてFXに熱中。3年ぐらいで5億円ぐらいになったらしい。
なぜそんなに勝てるのか、彼と話すたびに秘訣を訊いたのだが、彼から明確な答えが返ってきたことはない。どうやら勘でやっていたらしい。だから真似できなかった。リーマン・ショックも上手く波に乗って大儲けしたらしい。天才である。
資産が5億円ぐらいになると、それ以上は目指さず、ときどき遊びで小さい勝負をするだけになったらしい。小さいといっても一回の儲けが数百万円なのでやっぱり桁違いである。正直言って羨ましくて仕方がなかった。
しかし、彼はその頃になるとトレードに対する興味が失せていたらしい。
資産が億単位になると生活はどう変わるのか?私だったら六本木ヒルズに住んで、金にあかせて美味いもの、美味い酒に囲まれて楽しく過ごしたいと思う。
でも彼は仕事こそしていないものの、贅沢するわけでもなく、田舎に引っ込んだままだった。なお、彼はまだ20代である。
トレードだけでは面白くないのか、時給700円でバイトしたりもしていたそうな。全くもってよくわからない。
あるいは、夢というのはかなえてしまうと、また考えも変わるのかもしれない。
もし、贅沢な生活を過ごすにせよ、いずれは飽きてしまうかもしれないし、どこかで満足することは必要だろう。彼みたいに金持ちになっても変化しないというのもひとつの見識かもしれない。彼がそこまで考えていたとも思えないが。
それにしても、5億円か…。私にはやっぱり夢のまま、想像の領域だ。